Airbnbを利用してポーランドで宿泊しました。ちょっと印象深かったので、ブログに残しておきます。
●ポーランドのクラクフでAirbnbしてみる
Airbnbは、簡単に言えば民泊を仲介するインターネット上のサービス。泊まる場所を探す旅行者は、Airbnbを介して、現地ホストが提供する空き部屋または家まるごとを借りて宿泊できます。わたしは4月下旬にポーランドのクラクフを訪れ、Airbnbを通じて個人のアパートメントに2泊しました。
当初はホテルを予約するつもりでしたが、日本国内でAirbnb経験があり、それがとても面白かったので、ならば今度は海外Airbnbを試してみようと、ひとまず、ホテルの宿泊費(1泊1万円前後)より安くて、立地条件が良いところを探してみました。海外、特に欧米ではAirbnbはポピュラーで、利用者・宿泊場所提供者ともに多い印象です。ポーランドにもAirbnbは広まっているだろうなと思っていました。
●ホテルより安くて立地が良くて、ポーランド情緒のある場所に泊まりたい
Airbnb上で滞在場所と日時を入力して検索すると、1泊1万円以下で、クラクフ旧市街やクラクフ駅に近い立地の宿泊場所が十数件ほど挙がってきました。お部屋の写真が表示されるので、その中から、良さそうな場所を絞り込みました。Airbnbでクラクフの宿泊場所を表示した画面。このブログ記事に掲載するためのサンプル画像なので、日時はダミー |
●ベッドルーム、キッチンの有無、出入りの時間をチェック
次に、各宿泊場所の設備、例えばベッドやベッドルームがいくつあるか、wifiの有無などを確認し、チェックイン・アウトの時間、出入りは自由かなど、場所提供者のハウスルールにも目を通します。わたしが良さそうだと絞り込んだ場所は、ホストが居住する場所の空き部屋を提供するものではなく、ホスト所有のアパートメント全室を丸ごと借りられるものでした。クラクフ駅やクラクフ旧市街に出やすい場所にある、住宅街の中の建物のアパートメントで、写真で見る限り、室内はきれいで広そうでした。
この写真は、宿泊した場所の真向いに見える建物です。アパートメントというのはこういうもの。日本の木造アパートをイメージしちゃだめですよ!
●過去の滞在者のレビューをチェック
Airbnbは、その場所に関する、過去の宿泊者のレビューと評価を表示しています。これが一番参考になるので、そちらも目を通します。候補にした宿泊場所には、過去に利用した人たちの書き込みが100件以上あり、どれもホストの対応とアパートメントの居心地良さを高く評価していました。どうも信頼できる場所のようです。最後に、その滞在場所の宿泊可能日程をチェックします。なんと、私が宿泊する2泊3日を除いて、4月はすべて宿泊予定が埋まっていました。ということは、たくさんの旅行者が利用する、人気の場所だということです。そこで安心して予約を入れました。予約と同時に宿泊費をペイパルで支払います。
●ホストに挨拶メッセージを送っておく
これで予約完了。ただ、ここで終わらないのがホテル予約と異なるところ。ホストに対して、簡単な自己紹介と、クラクフ滞在目的などをメッセージしておきます。なお、ホストとのやりとりはすべて英語ですが、簡単な英語で大丈夫。このとき、「駅からアパートまで、地図で簡単にたどり着けるかなあ?」みたいな、ちょっと不安に思っていることなども正直に伝えておきます。
ホストにすれば、いったいどんな外国人が自分が所有するアパートに泊まるのか不安に思っているはず。事前にひと言、わたしは何者かを伝えておけば、ホストは安心するし、あらかじめ関係を築いておくことで、いろいろ頼みやすくなります。
ホストからは、翌日メッセージの返信があり「じゃあ、旅程が近くなったらまたやりとりしようね」ということになりました。
クラクフを訪れる2日前、Airbnbのメッセージ機能を介して、ホストから連絡がありました。
「もうすぐ、クラクフに来る日だね。何時ごろアパートに到着するか、わかったら教えてくれる?アパートの準備を手伝ってくれている僕の友人を、アパートに行かせるからね」
そこで、訪問予定時間を伝え、カギの受け取りなどを約束しました。
●さあクラクフでAirbnb!でも到着してびっくりしたよ!
さて、当日。バスでクラクフに到着。クラクフ駅に隣接するバスターミナルを降りて、宿泊するアパートメントに向かいます。この日、クラクフは雨。気温は8度前後ととても寒く、どんよりしていました。訪問先の住所に向けて地図を頼りに駅からアパートの建物まで歩いていきます。周囲は、18~19世紀のヨーロッパらしい華麗な建物が並んでいます。
住所の場所にたどりつきました。建物入口が……ボロボロ……木の板をたてつけたドア……。
正直、最初に見て、まずい場所に来てしまった、ああ、Airbnb失敗だ!と後悔したのでした。
ひとまず、ホストとの約束どおり、アテンドしてくれる彼の友人に電話を入れます。そしてアパートの建物に入るパスコードを教えてもらいます。
中に入ると、こんな感じ。
らせん階段を4階まで上っていきます。古い、ヨーロッパの建物ならではな雰囲気です。
アパートメントのドアにたどりつきました。「マットの下に鍵があるから、開けて入って」とのことで、マットをめくると鍵がありました。
ここまでは、かなり不安な気持ちで、Airbnbに対する信頼感が大幅下降していたのですが、一歩、アパートに入って、まったく問題ないとわかりました。
●外は古びていても、中は別世界
そう、ヨーロッパの古い建物って、外は古びて見えても、中は美しく、居心地よく改装されているのです。こちらはダイニングルーム。セラミックタイルで覆われたストーブが素敵です。
ダイニングルームから見た玄関ホール
キッチン
主寝室
バスルーム
リビングに設置されているストーブ。タイルが美しい
バルコニーから通りを眺めたところ
このアパートでの2泊は、Airbnbで事前に見たレビューどおり、とても居心地よいものでした。部屋は広く暖かで、周囲は静か。キッチンに食器や料理道具、ポットなども完備。wifiも問題なく、旅行者に過ごしやすい環境が十分整っていました。おかげでクラクフ滞在をとても楽しめました。
●歴史と物語のある建物での滞在
さて、ほぼ2日間のクラクフ滞在を堪能して、チェックアウトの日。建物入口のぼろぼろな板……かなり暫定的なドアの写真を撮ろうとして、ドアの上に文字が刻まれているのに気付きました。また、建物の壁にも、文字が記された碑がありました。
ポーランド語とヘブライ語のようです。
わたしはポーランド語もヘブライ語もわかりません。Google翻訳で、ここに刻まれたポーランド語を訳してみました。どうも、この建物では1924年から、手工芸を学ぶユダヤ人孤児のための寄宿学校が運営されていたようです。
ここで学び手工芸を身につけた学生たちは、その後巣立ってからどんな人生を歩んだか。特に1939年、ドイツがポーランドに侵攻し、クラクフで暮らすユダヤ人にとって地獄のような時代が始まってから、彼らがどんな運命をたどったのか。クラクフは映画「シンドラーのリスト」の舞台にもなっている場所。想像が広がります。
クラクフの歴史を、ほんの少し振り返らせてくれたこのアパートメントでの滞在。印象深い、海外初Airbnbになりました。