2019年4月27日土曜日

The display of Hanging Scroall and Bonsai at Takao-komagino-teien on April


The new project "Displaying Hanging Scroll with Bonsai" started at Takao-komagino-teien in Tokyo. The artist, Ms.Wakako Ishisone who creats Hanging Scrolls and the bonsai master, Koji Nagasawa and YUKIMONO took part in this project. The purpose is to deepen our understanding of Hanging Scroll and explore how to display beautifully with bonsai.   

東京・八王子市にある高尾駒木野庭園の古民家で、表装造形家・石曽根和佳子(いしそねわかこ)さんの掛け軸が飾られています。石曽根さんの掛け軸に魅了されたYUKIMONO主催者のわたしが、盆栽と一緒に飾ったら来訪者に喜ばれるのではと、同庭園の盆栽管理者である盆栽家・長沢孝二さんにご相談したことから始まりました。
4月27日の土曜日、初めて3人が集いました。これから月替わりで、掛け軸と盆栽のコラボレーションを進めていく予定です。では今回の掛け軸を見ていきましょう。


作品その1:「兜」 Samurai Warrior Helmet  
藁と柏の葉で作られた兜が描かれた絵を、石曽根さんが袋表装した掛け軸です。端午の節句を前に、この季節に合う作品を石曽根さんが持参してくださいました。
絵の天地と風帯に銀箔を施したことで、民芸調の柔らかな絵がビシッと格式高く見えます。絵の下に「幸雨筆」のサインが見えます。描かれたのは、大正から昭和のはじめくらいに東北地方に住んでいた方だそうです。

掛け軸の下に付いている円筒のおもりのようなものを「軸先(じくさき)」と呼びます。石、鉄、漆塗りの木、陶、ガラスなどで作られるそうです。こちらは、細かい線が施された陶製の軸先です。味がありますね。

床の間に飾ってみました。いかがでしょうか。この兜の掛け軸は、作品自体に存在感があるため、長沢さんは、あえて盆栽と合わせない判断をしました。


「香炉を下に置けたら……」と長沢さん。あいにく香炉はなかったので、かわりに小さな人形が置かれています。



作品その2:「竹に雀」 Sparrows in bamboos
江戸小紋柄と、竹に寄り添う雀の絵柄。石曽根さんが、江戸時代の古い着物の布を使って作った掛け軸です。絵をよく見ると、雀の羽、竹の葉の一枚いちまいが、とても細かく描かれています。

こちら、よくご覧になってください。鹿の子模様と縞模様の市松柄になっていますね。これ、最初に見たときは、こういう柄の一枚の布だと思ったのですが、違うのです。石曽根さんが、それぞれ柄の異なる江戸小紋の布を市松に組み合わせて仕立てたものなのです。「一枚の布を使ってもよかったけれど、これを作った当時は、柄の異なる布を使って自分で市松柄を作ることに熱中していた」と石曽根さん。とても手の込んだ作品です。


この掛け軸はサイズも小さいので、控えめに飾りました。

シダの盆栽を添えています。なぜ、このくさもの盆栽を置いたのでしょうか?
掛け軸の「竹に雀」の絵をよく見てみると、竹の下に小さな草が生えています。その草のイメージをこの盆栽に託しています。シダを置いたことで、掛け軸の絵がさらに広がり、一つの景色が床の間に表現されています。

Japanese Craft Artist, Wakako Ishisone
表装造形家の石曽根さんです。掛け軸や屏風をたくさん作られています。石曽根さんの作品に盆栽を添えることで、美しい空間を創り出せないかとYUKIMONOは模索しています。

Bonsai Master, Koji Nagasawa
左が盆栽家の長沢さんです。石曽根さんと長沢さんのやりとりを聞いていると、盆栽と表装の奥深い世界が無限に広がっていきます。

※こちらは別の日のものセッコクが添えられています。ピンクの花が加わって、空間がやわらかい雰囲気になりました。(5月5日撮影)


高尾駒木野庭園です。屋外にはたくさんの盆栽が飾られています。東京都内で唯一、無料でゴージャスな盆栽を鑑賞できる場所。高尾駅から徒歩15分くらいの場所にあります。ぜひ足をお運びくださいませ。



※石曽根さんの表装作品(掛け軸や屏風など)を見ることができる展示会が、5/2-5に飯田橋で開催されます。「小さな宇宙展~小品盆栽と鉢・小さな和紙と表装の世界」
場所はこちらです。




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